植物組織培養
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アマリリス球根のりん葉切片からの in vitro 増殖とウイルスの無毒化
梁川 正尾崎 武司
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1996 年 13 巻 2 号 p. 147-152

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抄録

アマリリス (Hippectstrum hybridum) 大輪赤花系の球根のりん葉基部切片を用いて, in vitro での子球の増殖条件を検討するとともに, 得られた子球のウイルス保毒検定を行った. りん葉基部の切片に切れ目を入れてNAAとBAを添加した寒天培地で培養し, 得られた子球に十字の切れ目を入れてさらに液体培地で振とう培養する方法により in vitro で効率的に子球を獲得できることがわかった. 得られた子球のウイルス検定の結果, りん葉基部の切片に形成された子球では, キュウリモザイクウイルス (CMV) は98%除去されたが, アマリリスモザイクウイルス (HiMV) の除去率は33%であった. この子球をさらに再培養して得られた新子球のウイルス検定では, CMV, HiMVともに100%のウイルス除去率が得られ, これらの方法による子球の増殖とウイルス無毒株獲得の可能性が示された.

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© 日本植物細胞分子生物学会
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