1992 年 9 巻 3 号 p. 220-226
セイヨウアカネ (Rubia tinctorum L.) およびアカネ (R. akane Nakai) の植物根と液体懸濁培養細胞の成分について, フォトダイオードアレイ検出器付高速液体クロマトグラフィーによる比較を行った. 両植物において植物根と培養細胞のいずれの抽出物からも anthraquinone 類が検出されたが, 植物根と培養細胞では, 成分組成だけでなく anthraquinone 類の種類も異なっていた. 非 anthraquinone 類である mollugin は植物根のみから検出された. 一方, 培養細胞では munjistin や pseudopurpurin といった酸化度の進んだ anthraquinone 類の増加が認められた.