シロイヌナズナ花茎重力屈性の数理モデル解析

津川 暁; 佐野 友彦; 島 弘幸; 森田（寺尾） 美代; 出村 拓

doi:10.5685/plmorphol.33.71

特集2　「植物の柔軟な形態変化を理解するための計測と理論」

シロイヌナズナ花茎重力屈性の数理モデル解析

津川暁 , 佐野友彦, 島弘幸, 森田（寺尾）美代, 出村拓

著者情報

キーワード: mathematical model, plant biomechanics, proprioception, quantitative plant biology, shoot gravitropism

ジャーナルフリー

2021 年 33 巻 1 号 p. 71-76

DOI https://doi.org/10.5685/plmorphol.33.71

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抄録

植物の重力屈性は特定の感受細胞で重力を感受し，器官の上側と下側の偏差成長によって屈曲を起こす現象である．近年のデータ解析とモデル解析によって茎の重力屈性の詳細な動態が明らかになってきた一方で，屈曲を起こす力学的仕組みは明らかでない．本研究では，シロイヌナズナの野生型とlzy1変異体においてデータと整合する数理モデルから力学の抽出を試みた．データとモデルの対応から野生型と変異体それぞれの平均的な屈曲を表現する数理モデルを構築し，茎の重力応答及び反り返り応答に由来する曲げ力と，軸成長力に由来する引張力が野生型と変異体で顕著に異なることを発見した．これらの力学と細胞の偏差成長を関連付けることで重力屈性を力学的に説明することに成功した．

責任著者(Corresponding author)

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