抄録
本研究は、母子保健分野における歯科口腔保健の質向上に資する基礎的エビデンスを提供するために、母親の歯周病症状が1歳6か月児健診および3歳児健診時における子どもの口腔衛生状態にどのように関連するかを縦断的に明らかにした。結果は、地域ふれあい子育て教室の参加者のうち、歯科健診を受診した母親とその子どもで1歳6か月児健診、3歳児健診を受診した87組、母親の平均年齢が33.0歳、歯周病症状のある割合が31.0 %であった。1歳6か月児健診時には、歯周病症状あり群の方が子どもの歯の汚れがある割合が低かった。これに対して、3歳児健診時には、母親の歯周病症状あり群と子どもの歯の汚れとの関連が見られなかった。さらに、1歳6か月児健診から3歳児健診時の子どもの歯の汚れの悪化と母親の年齢、間食時間を決めていないことに関連が見られることが示唆された。したがって、子どもの歯の汚れの予防には、母親の年齢層に応じた保健指導や間食時間のルール化を促す介入が重要である。