実践政策学
Online ISSN : 2189-1125
Print ISSN : 2189-2946
妖怪伝承の発掘と再生による地域の災害リスク教育に関する実践的研究
中学校の探究学習及び小学校への出前授業を通じて
大平 和弘木戸 花香山本 姫華今田 弥生野崎 颯大小島 航太テルファ 美葡前田 莉玖
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2026 年 12 巻 1 号 p. 105-118

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抄録
本研究は、中学校の探究学習及び小学校への出前授業を通じ、妖怪伝承と災害リスクとの関係を解明し、妖怪伝承が地域の災害リスク教育として再生し得る可能性について実践的に検証することを目的とした。まず、文献調査と現地調査の結果、多くの妖怪伝承が、地域の過去の災害や夜道の危険などを回避する意図で語り継がれた伝承であること、現在も地域の環境の特徴を表していることが確認された。また、自然災害に関する妖怪伝承地は、ハザードマップとの関係より、現在も自然災害リスクに警戒すべき場所であることが示された。このことから、妖怪伝承が、災害リスクを伝える教育に活用できる可能性が高いことが示された。次に、小学校への出前授業により妖怪伝承の教育効果を分析した。児童へのアンケートの結果、妖怪への興味が高まり、妖怪を身近に存在する回避すべきものと認識する傾向が高くなることが示された。また、テキスト分析の結果、妖怪伝承は地域の災害リスクを伝え、リスク回避を促す意識を与え得ることが示された。さらに、妖怪伝承を7割以上の児童が誰かに話してみたいと感じたと回答した。これらのことから、妖怪伝承が災害リスクを伝える媒体として、地域で再生し得る可能性が示された。本研究で実践した妖怪伝承の発掘や再生の方法は、他地域でも適用可能であると考えられるため、今後多くの地域において妖怪伝承が災害リスク教育として継承されることを期待したい。
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