抄録
東日本大震災で被災した交通インフラの中には、発災から5年が経過した現在においても復旧が終わらない箇所も存在する。そのような中、被災地の公共交通でいち早く復旧を遂げたのは路線バスであった。路線バスは、被災直後の地域の足として、また救助・救援の手段として被災地の復旧に大いに役立った。 本研究では、東日本大震災被災地の一つである岩手県大船渡エリアを取り上げ、当時現場に居合わせた営業所職員や運転士の方々へのインタビュー調査を通して、発災直後の避難行動、災害応急対応の過程について記述する。また、東日本大震災以前に発生した災害における路線バスの応急対応について記述された文献などと比較を行いつつ、災害教訓の抽出を行うことで、今後想定されうる大規模災害への対策の示唆を得ることを目的とする。