実践政策学
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アメリカの高等学校における卒業支援方略に関する質的調査研究
志田 秀史
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2019 年 5 巻 1 号 p. 65-74

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抄録
本研究は、アメリカの高等学校における卒業支援方略に関する事例を扱った質的調査研究である。 学力格差、 進学機会格差および家庭の社会経済状況格差に関する問題が教育心理学で取り上げられているわが国において、卒業が困難な高等学校並びに高等専修学校に関する示唆を得るために調査した。アメリカには、現在、著しい人種・民族間、階層間の格差がある。人種・民族マイノリティは、高等学校生徒の卒業に多大な困難を経験している。しかし、その反面国策レベルでの施策も進んでいる。 調査の結果、以下2点の示唆が得られた。 第1は、高等学校における卒業を保障する外部専門機関との連携である。卒業並びに大学準備コースワーク修了について教育委員会が中心となり、 外部専門機関を含めて組織化される。問題への対応は学校組織に限定せず、地域(学区)の中で、研究所やNPOという外部専門機関の機能を活用していることである。第2は、外部専門機関によるチューター・メンターの配置と、その業務のマニュアル化である。その特徴のひとつとして、生徒への干渉は、中退予防でなく卒業支援、または大学準備支援というように、目的が明確に理論化されていることである。もうひとつは、チューターまたはメンターが何を指標として、目的のためにどういう支援に取り組むのかが詳細にマニュアル化されていることである。
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© 2019 実践政策学エディトリアルボード
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