抄録
吹雪粒子は帯電しており,その極性は平均すると負である事が知られている.その量は野外観測値と風洞実験値とで異なり,野外観測値の方が大きいとの報告がある.この一因として,両者の吹走距離の違いに伴う跳躍回数の違いが挙げられている.本研究では,吹雪粒子の帯電量と跳躍回数の関係を実験的に明らかにする事を目的とし,低温風洞を用いて吹雪粒子の電荷測定実験を行った.本実験では,削剥されない硬い雪面を用い,気温-20~-5℃のもと,球状および樹枝状の雪粒子を使用した.なお,吹走距離は固定し,風速変化(4.5~7ms-1)によって跳躍回数を増減させた.測定の結果,気温や粒子の形状に関わらず,跳躍回数の増加とともに粒子に負電荷が蓄積される事が示された.この結果から,野外観測値と風洞実験値間に見られる量的隔たりの一因が,吹雪粒子の跳躍回数,すなわち吹走距離の違いである事が示された.