抄録
本研究の目的は、都市中小河川において多様な市民および地域組織の連携と協働により流域ガバナンスを実現するための知見を示すことである。そのために、地域で価値が共有されていない都市中小河川を対象として、市民プロジェクトを展開し、流域の包括的な環境保全を実現していった事例を詳細に分析する。対象事例は、神戸市・福田川流域において市民組織が主体となって実施している環境保全や環境教育、地域づくりの活動である。この事例の分析を通じて、ひとりの市民が川の清掃活動を始めたことをきっかけとして、市民組織が立ち上がり、さらに市民組織どうしが連携しながら、やがて行政、専門家も含めた流域内のゆるやかなネットワーク組織が形成されるまでの経緯をモデル化した。