抄録
我が国のCOVID-19対策は、緊急事態宣言による外出の自粛要請や我が国への入国の制限、学校の一斉休校の要請、中小企業や個人事業主を対象とした融資、全世帯に対する布マスクの配布など多岐にわたって実施されている。しかし、これら対策は予めパンデミックに備えて定められた対策ではない。そのため、COVID-19が流行する最中でその都度検討され、定められてきた。したがって、政府によるCOVID-19対策に対する国民の評価は未だ明らかにされていないままである。そこで、本研究では、アンケート調査データを用いた重回帰分析による対策への定量的な評価と新聞分析による定性的な評価を実施した。アンケート調査は、2021年2月上旬に首都圏在住の521名を対象に実施した。また、新聞分析では、読売新聞のインターネット紙面検索を用いた。その結果、政府の新型コロナウイルス対策全体に56.4 %が不満と評価しており、満足度は概して低いことが明らかとなった。一方で、COVID-19対策の満足度には、「政府への信頼」が特別定額給付金を除く各対策に大きな正の影響を与えていた。このことから、政府への信頼は、パンデミック対策への賛成度の大きな要因であることが明らかとなった。また、サービス業従事者において1回目の緊急事態宣言に満足していない傾向が示された。この理由として、緊急事態宣言解除後も経営状況の低迷が続いており、適切な経済回復支援策が必要であることが新聞記事より示唆された。