抄録
COVID-19感染拡大に伴う緊急事態宣言の発令や、個人の行動自粛に伴い、人々の行動には過去には無かった変化が生じている。本稿ではまず1日の生活時間全体を通じた個人に対する活動調査を元に、その実態を明らかにした。この結果、公共交通から自動車への交通手段転換、在宅での業務の実施(リモートワーク)が緊急事態宣言解除後も元に戻っていないことを具体的に示した。変化は塑性的に生じているのである。また、Newman and Kenworthy(1999)の都市密度と自動車依存度の関係図を用いることで、自動車依存の高い疎な都市空間を有する都市の方が、むしろ感染状況が悪い可能性を示唆した。さらに、過去からのオンライン化に関する研究成果と新たな意識調査の結果を元に、リモートワークやオンラインショッピングが今後実際の都市空間に及ぼす少なからぬ影響について言及した。あわせてあたかも「ゆっくり来る津波」に流されるように現在進行形で消滅しつつある実際の各都市における都市施設についても例示を行っている。これらの結果を元に、本稿では実空間にも配慮してサイバー空間の利用を行う骨太の方針「新たなスリーマグネット」の必要性を説いた。具体的な行動としては、「かしこいオンラインの使い方」をキャッチフレーズとして、新たなモビリティ・マネジメントもジャンルとなる「外出MM」を確立することの必要性を示した。