抄録
「関係人口」が今後の我が国の地域活性化の切り札として期待されている中、COVID-19の流行に伴い、地域への訪問を伴う訪問型関係人口の活動が制約され、オンライン等を活用して地域と関わる非訪問型関係人口への期待が現在高まっている。しかし、各都道府県が多様な活動内容から成る関係人口をそれぞれどの程度、どの地域から獲得しているかは未知であると共に、非訪問型活動の内容構成に応じ、今後訪問型への移行可能性も地域によって異なると考えられる。COVID-19収束後を見据えた地域活性化施策を実践するためには、そうした関係人口の獲得実態の基礎的な情報をまず整理した上で、検討していく必要がある。そこで本研究では、全国を対象とした大規模な調査に基づき、非訪問型と訪問型両者の活動内容に着目して、まず乖離度やジニ係数という指標を用いることで、両関係人口の空間的特性の把握を行った。その上で、各活動内容の構成割合から都道府県の類型化を行い、類型ごとに非訪問型のCOVID-19収束後における訪問意向割合をも示すことを通じて、関係人口の獲得特性の解明を行った。その結果、非訪問型は訪問型と比較し、距離抵抗の影響は小さいが、特定の都道府県への集中度は高いことが示された。また、人口当たりの非訪問型関係人口を多く獲得していても、その中身がふるさと納税に依存している都道府県では、COVID-19収束後の訪問意向の高まりは望めないことが明らかとなった。