小児リウマチ
Online ISSN : 2434-608X
Print ISSN : 2435-1105
全身型若年性特発性関節炎とIL-18
重村 倫成上松 一永小池 健一
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2009 年 2 巻 1 号 p. 21-24

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抄録

全身型若年性特発性関節炎(sJIA)は多彩なサイトカインが関与し,病態に深く関わっている. IL-6, IL-1β, TNFαなどの炎症性サイトカインがその主体をなすとされてきたが,近年血清IL-18が 他の疾患に比して著しく上昇することが報告され,IL-18がsJIA病態に強く関与すると考えられるよ うになってきた.IL-18自体にはそれほど強い生理活性はないが,共存のサイトカインでは強い細胞 障害を示す.特にマクロファージ活性化症候群(MAS)移行例では血清IL-18は著明に上昇することか ら,MAS発症に強く関わっていることが予想される.病態の悪化時には血清IL-18は上昇し, sJIAの 活動性を反映することから,病勢マーカーとしても有用である.

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© 2009 一般社団法人 日本小児リウマチ学会
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