抄録
全身型若年性特発性関節炎(sJIA)は多彩なサイトカインが関与し,病態に深く関わっている.
IL-6, IL-1β, TNFαなどの炎症性サイトカインがその主体をなすとされてきたが,近年血清IL-18が
他の疾患に比して著しく上昇することが報告され,IL-18がsJIA病態に強く関与すると考えられるよ
うになってきた.IL-18自体にはそれほど強い生理活性はないが,共存のサイトカインでは強い細胞
障害を示す.特にマクロファージ活性化症候群(MAS)移行例では血清IL-18は著明に上昇することか
ら,MAS発症に強く関わっていることが予想される.病態の悪化時には血清IL-18は上昇し, sJIAの
活動性を反映することから,病勢マーカーとしても有用である.