小児リウマチ
Online ISSN : 2434-608X
Print ISSN : 2435-1105
関節リウマチに対する薬物療法
鈴木 康夫
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2009 年 2 巻 1 号 p. 9-20

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抄録

 関節リウマチ(RA)治療の最大の目的は骨・軟骨破壊を抑制し,関節機能,生活動作を維持し, さらには生命予後を改善することである.関節破壊の進行は発症後1年以内が速いことから,発病極 早期より疾患修飾性抗リウマチ薬(低分子DMARDs)や生物学的製剤で積極的に治療開始し,一定期 間毎に疾患活動性を評価し,治療目標に速やかに到達することが勧められる(タイトコントロール). 低分子DMARDsはRAと診断されたらすべての症例に投与すべき薬剤であり,生物学的製剤を使用 する際の基本薬でもある.その中でも,有効率が高く関節破壊抑制効果が確立している薬剤(strong DMARds)が主に使用されるが,メトトレキサート(MTX)はアンカー薬剤に位置付けられ, RA薬物療 法の基本薬である.低分子DMARDsが効果不十分な症例や活動性が高く予後不良因子がある症例で は生物学的製剤の早期導入を考える.

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© 2009 一般社団法人 日本小児リウマチ学会
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