小児リウマチ
Online ISSN : 2434-608X
Print ISSN : 2435-1105
関節型若年性特発性関節炎におけるメトトレキサートの使用状況と限界
キーワード: JIA, MTX, 副作用, 嘔気
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2018 年 9 巻 1 号 p. 22-25

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抄録
【はじめに】本邦で関節型若年性特発性関節炎(JIA)の初期治療においてメトトレキサート (Methotrexate;MTX)は承認された唯一のconventional synthetic(cs)DMARDとして中核的存在 である。若年性特発性関節炎の初期診療の手引きに従うとMTXで十分な治療効果の得られない症 例は生物学的製剤の適応が検討される. 【目的】関節型JIA関節型症例におけるMTX内服量,副作用の頻度,生物学的製剤導入との関連に ついて後方視的に検討した. 【結果】対象症例46例(女性35例;76%,年齢中央値17歳,発症年齢中央値10歳).副作用は23例(50%) に認め,消化器症状が最も多かった.副作用を認めた群(n=23)と副作用を認めなかった群(n=22) を比較すると,MTXの平均使用量(2.6 vs. 7.4 mg/m2/week;p=0.0029)と生物学的製剤使用率(83 vs. 50%;p=0.0029)で有意差を認めた. 【考案】MTXはJIAに対して有用であるが,副作用の頻度が高く,代替え治療の選択肢が限られて いる.医療経済や適切な薬剤管理の観点からも他のcsDMARDsの選択肢拡大が望まれる.
© 2018 一般社団法人 日本小児リウマチ学会
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