2025 年 161 巻 p. 51-64
労働者の就業・失業・非労働力等の就業状態等間の移行を示す労働力フローは,労働者の属性により大きく異なる。本稿では,2018 年までのデータを用いて日本における性別・学歴・配偶関係別の労働力フローの年齢プロファイルを探求したEsteban-Pretel and Fujimoto(2020)の分析を2022年のデータにまで拡張するとともに,新たに地域別の分析を行う。分析の結果,労働力フローの年齢プロファイルは,地域間で形状は概ね類似している一方で,フローによってはその水準に大きな違いが存在すること,非正規雇用から正規雇用への移行の生じやすさには,特に40代及び50代において地域間の差が顕著であること等が示された。本稿の結果は,労働市場分析において地域性を考慮することの重要性を示している。