霊長類研究 Supplement
第21回日本霊長類学会大会
セッションID: R-06
会議情報

ポスター発表
ニホンザルのストレス評価のためのcalreticulin(Crt) ELISA法の確立
*東濃 篤徳米澤 敏鈴木 樹理景山 節
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
Crtはストレスタンパク質として知られ、血中濃度が測定できればストレス指標となりうる。本研究ではニホンザルCrtのELISA法の開発とそれを用いたストレス評価系の確立を目指した。
 我々はすでにニホンザルCrtcDNAのクローニングをおこないアミノ酸配列(418残基)を決定している。エピトープとして選んだCrt407∼412部位の6残基の合成ペプチドに対して、抗Crtウサギ抗体を作製し、immunoblottingおよびELISA法を試みた。
 Immunoblottingのためニホンザル(5歳、オス)肝臓抽出タンパク質をnon-denaturing PAGEによって分離した後、PVDF membraneに転写した。その後、抗ニホンザルCrtウサギ抗体とアルカリフォスファターゼラベルの抗ウサギIgGロバ抗体を用いる系でCrtを検出した。標準CrtとしてニホンザルCrtcDNAを大腸菌で発現させたrecombinantタンパク質を用いた。結果は、肝臓抽出液において、recombinant Crt と同じ位置に一本のバンドが検出された。このことは肝臓はCrtを含めて多くのタンパク質を合成しているが、Crt以外は今回の抗体と交叉しないことを示している。抗体はCrt特異的であると考えられた。
 ELISA法として標識2次抗体としてHRPラベルの抗ウサギIgGロバ抗体を用い、ニホンザル血漿におけるCrt含量を測定した。Positive controlとして合成ペプチドを使用した。結果、ELISA法では、合成ペプチドを用いた測定によって標準曲線を得ることができた。血漿を用いた測定では、最適検出条件を検討中である。今回、ELISA法によるCrt測定系が確立されたことは様々な飼育環境におけるニホンザル血中Crt量の測定を可能にするものである。
著者関連情報
© 2005 日本霊長類学会
前の記事 次の記事
feedback
Top