霊長類研究 Supplement
第22回日本霊長類学会大会
セッションID: P-06
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ポスター発表
京都盆地北縁に生息するニホンザルの一群の生態 1)行動域と泊り場(2005年,2006年前半)
*西邨 顕達
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抄録
(目的) 私は1945年から1968年まで義経伝説で知られる鞍馬で過ごし、1977年以後現在まで鞍馬よりすこし南に位置する市原、岩倉に住んできた。これらの地区では、人々はニホンザルをしばしば見かけるし、“猿害”も受ける。自分の身近に住む野生ニホンザルの生態を知ること、および自分自身も含めて地域住民の猿害を軽減しニホンザルとのよりよい共存関係を作っていくこを目的として2年前に調査を始めた。
(方法) 調査は主として“電波追跡(radio tracking)”<個体に取り付けた無線発信機から発信される電波をキャッチしながら個体や群れを追うこと>によって行った。観察は原則として毎日1~3回行い、各回の観察時間は普通1回30分~1時間であった。必ず行ったのは泊り場の位置確認である。
(結果と考察) 1.群れの構成. 調査対象群を鞍馬の群れ、略してK群と命名した。道路を横断したときに確かめられた群れサイズの最大値は53頭でその内訳は、成オス:4、成メス:16、0歳(アカンボウ):7、1歳:7、2歳:7、および3歳:4、4-6歳:8、であった。未成熟個体の割合がきわめて大きい。 2.行動域. 2004年12月から16ヶ月間に確かめられた群の遊動範囲は33.4km2で、鴨川上流の鞍馬、二の瀬、市原、静原、上賀茂、西加茂、および、高野川上流の岩倉、大原等の地区を含む。ただし、7月、8月、 9月上旬を除けば、13.6 km2であった。3.泊り場. 469夜泊り場を確認した。最もよく泊ったのは渓谷沿いの急斜面で広葉樹、とくにムクの木、の多いところで、その次には山裾で、畑に近い斜面であった。いずれの場合も道路から近かった。
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© 2006 日本霊長類学会
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