霊長類研究 Supplement
第23回日本霊長類学会大会
セッションID: P-12
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ポスター発表
ミャンマー連邦におけるマカクの分布について
*大井 徹Tin NweAye Mi SanNang Wah Wah Min濱田 穣
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抄録
 ミャンマー連邦には5種のマカク(アッサムザル、ベニガオザル、アカゲザル、カニクイザル、ブタオザル)が生息していることが知られている。これらの分布についてはFooden(1995)のレビューがあるが、シャン高原やアラカン山脈など山岳地帯の情報はほとんどなかった。
 私達は、2004年から2006年にかけて、西部のアラカン山脈、中央平原、東部のシャン高地、マレー半島基部を自動車で踏破し、道沿いの森林の探索、村々で生息の有無について聞き込みを行った。調査は、計4回、43日間で、8,526kmの移動の間に239地点で聞き込み、および直接観察を行った。
 聞き込みにおいては、種の特徴が表現されている写真を住民に示すなど、正確な種判定を心がけたが、アカゲザルとアッサムザルの判別、カニクイザルとコノハザルの判別は不正確になりがちで、さらに、現地確認が必要なデータもある。このような質のデータであることを認識した上で、新しく得られた知見を要約すると、1)アカゲザルについては、マレー半島を除いた広い範囲に分布が知られていたが、欠落していたアラカン山脈での分布情報が加わった。2)カニクイザルについてはマレー半島部、エーヤワディデルタ東部の情報があったが、分布情報がミャンマーの西部海岸沿いに北に伸び、バングラデシュの分布情報とつながった。アラカン山脈中部の海岸部、バゴー山地ではアカゲザルと分布が重なっていると考えられた。3)アッサムモンキーについてはシャン高原の一部からの情報しかなかったが、アラカン山脈南部の情報が新たに付け加わった。4)ブタオザルについてはシャン高原の一部からの情報しかなかったがアラカン山脈、チン高原、バゴー山地からの情報が加わった。5)ベニガオザルについてはマレー半島基部タイとの国境付近からの情報しかなかったがアラカン山脈中部からの情報が加わった。
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© 2007 日本霊長類学会
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