霊長類研究 Supplement
第24回日本霊長類学会大会
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自由集会
ニホンザルにおける社会行動の文化的変異:情報収集のためのネットワーク作り
*中川 尚史
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p. 1

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抄録
本集会の目的は、日本各地の猿害地においてニホンザルの保護管理活動を行なわれている調査者の皆さんにご参集いただき、各人が現時点でお持ちのニホンザルの行動に関する情報の提供、および今後収集された情報の提供のためのネットワークへの参加を要請することである。お願いするに先立って、こうした情報の重要性、ならびに具体的事例について、特に文化的変異研究の観点から理解を深めていただくために、以下の4名の演者の方々に発表いただく予定でいる(演題はいずれも仮題)。
1. 中村美知夫(京都大学・野生動物研究センター)「チンパンジーの社会行動の文化的変異」
2. マイケル・ハフマン(京都大学・霊長類研究所)「ニホンザルにおける石遊びの文化的変異」
3. 島田将喜(滋賀県立大学・人間文化学部)「ニホンザルの『物を伴った社会的遊び』の文化的変異」
4. 中川尚史(京都大学・理学研究科)「ニホンザルにおける緊張緩和行動の文化的変異」
その後、フロアから発表で対象とされたような事例を含め、地域変異がありそうな行動について口頭で情報を頂くとともに、事前に用意した記名式のアンケート用紙への記入を通じて、情報ネットワークへの参加をお願いする。
ごく一部の人付けされた自然群や餌付け群と異なり、猿害地での観察条件が悪いこと、さらには悠長に観察している状況にはないことはじゅうぶん承知している。また、うまい具合に行動観察できたとしても地域変異がありそうか否かは情報を集約してみて初めて分かることである。そして地域変異が認められたとしても、遺伝的、生態学的に説明ができない文化的な変異に該当するかは、慎重に吟味する必要がある。しかし、もし断片的であれ各地から情報が得られたなら、ニホンザルの文化的変異研究にとって大きな前進のきっかけとなることは間違いないと確信している。
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© 2008 日本霊長類学会
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