霊長類研究 Supplement
第24回日本霊長類学会大会
セッションID: P-08
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ポスター発表
ミトコンドリアDNAを用いた兵庫県のニホンザルの遺伝学的モニタリング
*森光 由樹鈴木 克哉遠藤 美香室山 泰之赤座 久明川合 静齊藤 梓川本 芳
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抄録
兵庫県内には11群のニホンザルが生息している。しかしほとんどの群れが孤立している。Kawamoto et al.(2007)は兵庫県篠山および淡路島に棲息している群れのミトコンドリアDNA第2可変域の配列を明らかにしている。しかし、他の群れのDNA情報の報告はない。そこで報告者らは、兵庫県内に生息している群れから血液および糞を採取し分析を実施した。抽出したDNAを鋳型に、ミトコンドリアDNAのDループ第1可変域、530塩基対および第2可変域、412塩基対についてPCR法で増幅し解読作業を行った。プライマーの塩基配列はHayasaka et al.(1991)、Kawamoto et al.(2007)、川合・川本(2007)より引用した。塩基配列の解読はGenetic Analyzer ABI社 Mode3130を用いて実施した。分析の結果、それぞれの群れで異なったハプロタイプが検出された。ハプロタイプの違いの理由は、最終氷期に分断隔離された地域個体群に生じた分化が反映している可能性が考えられた。また、有害捕獲や市街地や道路などの人口産物の影響により過去に連続して分布していた群れが分断孤立、もしくは絶滅し、遺伝的な違いとして観察された可能性も推測された。今回の結果は、将来、ニホンザルの保護管理遂行する上での重要な基礎資料の一部になると考えられた。
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© 2008 日本霊長類学会
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