抄録
【目的】最近、黒豆(煮)の青年における喫食率の減少傾向が伺える。本研究では、時代別の調理法で煮た黒豆の物性と青年の嗜好性との関連を検討し、青年に好まれる黒豆の物性条件を探ることを目的に研究を実施した。
【方法】大玉丹波黒豆を材料として、調製法は大正6年(T6)、昭和19年(S19)、60年(S60)、平成14年(H14)から選んだ。黒豆100gに対する砂糖添加量はT6からH14の順に56g・30g・110g・80gで、醤油添加量は13g・27g・5g・7.2gであった。黒豆の色を色差計で、破断強度とテクスチャーをクリープメータ物性試験システムで測定し検定を行った。また、官能検査を実施した。
【結果及び考察】黒豆の色差のL*値はH14>S19>S60>T6の順で高く、a*とb*値はH14で有意(p<0.01)に高かった。破断強度およびテクスチャーのかたさ荷重ではS60>T6>S19>H14の順で硬く、凝集性ではT6>S60>S19>H14の順に高かった。もろさ荷重ではS19とH14で有意(p<0.01)に高く、付着性ではH14で有意(p<0.05)に高かった。官能検査の評点法の色ではH14 で有意(p<0.01)に悪く、つやと香りでは有意差は認められず、硬さと粘弾性ではH14で有意(p<0.01)に柔らかく、粘弾性があると評価された。甘さ・美味しさ・総合評価ではH14 とS60で有意(p<0.01)に評価が高かった。順位法の嗜好評価は評点法と類似した。これより、青年ではS60とH14 の黒豆で好まれることが示唆され、色の寄与は小さく、テクスチャーは軟らかいと硬いの2極に別れ、甘さの強い黒豆で好まれることが明らかになった。