霊長類研究 Supplement
第25回日本霊長類学会大会
セッションID: A-4-4
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口頭発表
霊長類ミトコンドリアDNAの塩基置換パターンと塩基組成動態の解析
*河合 洋介斎藤 成也
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抄録
ミトコンドリアDNAは核DNAと比べて塩基配列の多様性が高く,種内や近縁種間の遺伝的多様性を測るマーカーとして重要である。
しかしながらミトコンドリアDNAは塩基置換速度や塩基組成が生物種や系統間で一様ではなく,分子進化過程の理解はミトコンドリアDNAを用いた系統解析において重要な課題のひとつである。
ヒトおよび類人猿のミトコンドリアDNAは他の霊長類と比べてチミン(T)の含量が低く,シトシン(C)が高いという特徴がある。この特徴はこれらの生物種に固有な塩基置換によって生じたと考えられる。
そこで人類集団のミトコンドリアDNAの単塩基多型から突然変異パターンを推定し塩基組成変化との関係を調べた。その結果人類集団のミトコンドリアDNAではT→C方向の突然変異がその逆方向(C→T)の突然変異を上回って生じており,その結果Tの減少とCの増加が起こっていることが明らかになった。
さらに長期的な塩基組成の動態を明らかにするために,核DNA中に存在するミトコンドリアDNAの偽遺伝子の解析により類人猿の祖先系統のミトコンドリアDNAの塩基組成の推定を行った。その結果類人猿の共通祖先種のミトコンドリアDNAの塩基組成は他の霊長類の塩基組成とほぼ同等であることがわかった。
これらから約2000万年前にミトコンドリアDNAの塩基置換パターンに変化が生じ,その結果類人猿ミトコンドリアDNA特有な塩基組成を生じたと結論づけた。本発表ではさらにこれらの結果に関してミトコンドリアDNAの複製過程との関係を議論する。
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© 2009 日本霊長類学会
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