霊長類研究 Supplement
第25回日本霊長類学会大会
セッションID: A-7-2
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口頭発表
ミャンマーの鮮新世の地層からみつかった旧世界ザル類化石
*高井 正成タウン・タイジン・マウン・マウン・テインアウン・ナイン・スー江木 直子西村 剛
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抄録
京都大学霊長類研究所が行っているミャンマー中部の古生物学的調査において,2009年2月にふたつの調査地点(チャインザウック地域とグウェビン地域)から2種類の旧世界ザル類の化石を発見した。本発表ではこれらの化石の形態的特徴とその意義に関して予備的な報告を行う。
チャインザウックの地層は,これまでの調査で見つかっていた哺乳類化石の解析から中新世末~鮮新世初頭と考えられている。今回の調査では,コロブス類の下顎骨破片と上下顎の遊離歯化石を発見した。南アジア地域で見つかっている最古のコロブス類化石は,イラン及びアフガニスタンの後期中新世の地層から見つかっているMesopithecusである。チャインザウックの化石はMesopithecusとは形態的に明らかに異なっている。また現生のアジア産コロブス類に近い化石としてはインド・パキスタンの前期鮮新世の地層から見つかっている”Presbytis” sivalensisが最も古いが,チャインザウックの化石はこれよりも明らかに大きく,少なくとも別種と考えられる。
グウェビンの地層は,産出する哺乳類化石から後期鮮新世とされてい るが,はっきりした年代はまだ決定されていない。今回発見されたマカク類の化石は,2本の遊離歯(右下顎第4小臼歯と左上顎大臼歯)である。アジア地域の最古のマカク類の化石は,中国北部の楡社(山西省)の前期鮮新世の遊離歯化石であるが,今回のグエビンのマカク化石はそれに次ぐ古さである。
今回ミャンマーで発見されたコロブス亜科とオナガザル亜科の化石は,東南アジア地域における最古の旧世界ザル類の化石である。東部ユーラシアにおける旧世界ザル類の進化プロセスの研究において,重要な役割を果たすことが期待される。
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© 2009 日本霊長類学会
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