霊長類研究 Supplement
第25回日本霊長類学会大会
セッションID: P-28
会議情報
ポスター発表
ハウレッツ・ポートリム野生動物公園におけるゴリラ未成熟個体の遊び行動と行動時間配分
*松原 幹RIDGES Phil
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
ヒトもふくめた霊長類の心身発達の進化的,文化的基盤の研究のために,類人猿の遊び行動などの社会行動の発達研究が注目されている。遊びの行動バリエーションは群れやコミュニティの性・年齢構成などによって影響される。
類人猿の中ではゴリラの遊び行動の研究は少ない。そこでイギリス南東部のハウレッツ・ポートリム野生動物公園にてニシローランドゴリラの行動観察を行った。ポートリム分園で飼育される家族群(ジャラ群)を対象に2頭の乳児,5頭の未成熟個体,6頭のオトナメス,1頭のシルバーバックを対象に社会行動を観察した。主に未成熟個体における1日の行動時間配分,遊び相手の構成と遊びの種類との関係,遊びの誘いかけ頻度,継続時間について解析を行った。独り遊び(特に手足のブラキエーションを伴う行動)は,乳児で長時間観察され,レスリングや追いかけっこなどの他個体との社会交渉を伴う遊びは4歳以上の個体で多く見られた。オトナメスから8歳オスへの遊びの誘いかけ,および射精を伴わない交尾行動と追従行動が観察された。様々な性年齢の個体との遊びを通じた社会交渉が,ゴリラの社会性の発達に重要な影響を与えると考えられる。
著者関連情報
© 2009 日本霊長類学会
前の記事 次の記事
feedback
Top