霊長類研究 Supplement
第27回日本霊長類学会大会
セッションID: P-21
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ポスター発表
ボッソウのチンパンジーはベッドをつくって求愛する
*大橋 岳
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抄録
 交尾をおこなうには、相手の興味をひくことが重要だ。チンパンジーにおいても、これまでに求愛行動が各地で報告されてきた。行動の様式には地域差があることが指摘されており、文化的行動のひとつとして考えられている。このようななか、ベッドをつくるという新しい求愛行動がギニア共和国ボッソウで発見された。2002年7月1日から2003年3月10日までの期間において135日間、第一位オスを追跡したところ、求愛行動としてのベッド作成は、23例観察された。そのうち22例はコンソートシップといわれるオスとメスがペアでコアエリアから離れて過ごしているさいに出現した。残りの1例も他のオスがいないときにおこった。他の調査地同様、ボッソウにおいてもコンソートシップ自体の観察例はきわめて少なかったため、長期調査にもかかわらずこれまで発見されなかったのだろう。ボッソウにおける文化的行動だとすると、どのようにして他個体に行動が伝播するのだろうか。他のオトナオス1個体、およびコドモオス1個体が同様の行動をおこなうのを観察しているが、オスがこの行動を観察する機会は極めて限られる。また発する側のオスだけでなく、受け手のメスが求愛だとわからなければならない。今後のさらなる観察が必要だろう。他の調査地でもコンソートシップの観察例が極めてまれであることを考えると、他の調査地で発見されていないだけかもしれない。ベッドを作る行動は地上でも樹上でもおこなわれる。相手が交尾に応じないときは、同じところに複数個のベッドがつくられた。これらは痕跡として残ることになる。チンパンジーの密度推定にはベッドセンサスがよく用いられているが、同様の行動が他の地域に存在すると仮定すると、これまでの密度推定で過大評価されてしまっている危険性もあるかもしれない。
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© 2011 日本霊長類学会
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