霊長類研究 Supplement
第28回日本霊長類学会大会
セッションID: P-03
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ポスター発表
新世界ザルにおけるアンドロゲン受容体のQおよびGリピート長多型の解析
*平松 千尋井上-村山 美穂
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抄録
アンドロゲン受容体遺伝子のエクソン1には、3塩基の繰り返し配列によりグルタミン酸(Q)および、グリシン(G)が連続してコードされる領域がある。ヒトではQリピートに9~36回、Gリピートに10~31回の反復回数の多型があり、極端に長いQリピートまたは短いQリピートは疾病と結びついていることが知られている。また、Qリピート長は攻撃性や優位性などの気質との関連性が指摘されている。ヒト以外の霊長類においては、チンパンジー、ゴリラ、オランウータン、マントヒヒ、スーティーマンガベイにはQリピートに多型があることが報告されているが、アカゲザルやカニクイザルでは多型が見つかっていない。多型の有無や反復回数にどのような要因が関連するのかは興味深く、さらに多くの種を調べる必要があるが、新世界ザルの報告は少なく、コモンマーモセットで多型がないことが報告されているのみである。そこで、我々はマーモセット科の8種、オマキザル科の9種に属する約100個体の反復回数と多型の有無を調べた。その結果、フサオマキザルではQリピートに10回と11回、Gリピートに11回と13回、ヨザルではGリピートに11回と14回の反復回数の多型が見つかったが、その他の種には多型がみられなかった。また、調べた新世界ザルでみられたQリピートの長さは4~8回反復、Gリピートの長さはリスザルの21回反復を除いては7~14回と旧世界ザルよりも短い傾向にあった。多型の有無、反復回数の長さには、コドン使用頻度など塩基配列の構造、集団サイズや性成熟までの長さなどの要因が関連していると考えられ、それぞれの要因について関連の有無を検討する予定である。
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© 2012 日本霊長類学会
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