抄録
日時 2014年7月4日(金) 14:30-16:00
場所 大阪大学大学院人間科学研究科本館第51講義室
野生ニホンザルの行動研究が開始されて半世紀以上も経過する今日においても,ニホンザルを観察していると珍しいと思う行動を目にすることがある。これらの行動は繰り返し記録できることでもないし,定量的に示すことが難しいことの方が多いので、学会で発表したり、学術論文として公刊したりすることもできず、個々の研究者の観察ノートや記憶の中にとどまっているだけのことが多いはずである。しかし、これらの行動も実際に野外で暮らしているニホンザルが示したものであり,ニホンザルの理解に役立つはずである。私たちはこのような行動を「稀な行動」として記録すること,そして,その情報を多くの研究者の間で交換・集約することの重要性を指摘し(中道・山田・中川,2009;中川・中道・山田,2011)、メーリングリストを立ち上げ、「稀な行動」の情報共有を行ってきた。
本自由集会では、「ニホンザルの稀な行動」を英文の書物としてまとめることを具体的な目標に設定して行う。中道ら(2009)は、稀な行動を次の3つに分類している。(1)行動そのものは一般的なものであるが,観察することが極めて難しい行動である(出産など)。(2)行動の生起が少なく,そのために観察事例も限られている行動(脊椎動物食など)。(3)ある集団では見られるが,他の集団では見られない行動(「石遊び」など)。これらのカテゴリーに該当するような行動を論文として英文で記述し1冊の英文論文集として本にまとめることを目指している。すでに学術論文として日本語で発表している場合でも英文で書いていただき、英語圏の研究者に「ニホンザルの稀な行動」を知ってもらう機会にしたいと考えている。上述のカテゴリーに入ると思われる種々の稀な行動をまとめた総説的な論文もこの本の中に含めたいと考えている。
この抄録を見て話題提供を希望される方は、下記の連絡先まで事前にご一報いただければ幸いである。
責任者:中道正之(大阪大学・人間科)・山田一憲(大阪大学・人間科)・中川尚史(京都大・理)
連絡先 〒565-0871 吹田市山田丘1-2 大阪大学大学院人間科学研究科 比較行動学研究分野 中道正之 E-mail: naka@hus.osaka-u.ac.jp