霊長類研究 Supplement
第30回日本霊長類学会大会
セッションID: P24
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ポスター発表
飼育ゴリラ集団における早朝の同室率と放飼場での近接関係
*中道 正之*大西 賢治*SILLDORFF April*SEXTON Peggy
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抄録
サンディエゴ・サファリパーク(旧、サンディエゴ・ワイルドアニマルパーク、カリフォルニア州)では、1頭のシルバーバックと数頭のオトナメス、その子供たちからなるゴリラ集団が飼育されている。昼間は約1200m2の屋外放飼場で過ごし、夜間は2-8室からなるゴリラ舎で過ごす。ゴリラたちはどの部屋で過ごすのかを自由に選択することができる。1997年夏から、毎朝、飼育担当者がゴリラ舎に到着したときに、各ゴリラがどの部屋にいるのかを記録している(early morning check)。また、昼間、ゴリラが放飼場にいるときには、中道が1時間に1回の頻度で、各ゴリラの5m以内の近接個体の記録を1997年から、秋と春に実施している(Nakamichi et al., in press)。
本発表では、2004年春期から2009年秋期までの5年間10期間における早朝のゴリラ舎での同室率と屋外放飼場での近接率を比較する。当該期間の集団の構成は、オトナオス1頭、オトナメス4頭、若メス2頭、若オス1頭であった。屋外放飼場の近接のデータ収集は毎年、春期は3月または4月に、秋期は10月または11月に実施しているので、これに合わせるために早朝のデータも同じく、3-4月および10-11月のデータを用いた。
当該期間におけるシルバーバック(オトナオス)1頭とオトナメス4頭の放飼場での近接関係はほぼ一定で、特定の2頭のメスの近接が高く、1頭のメスが比較的一人で過ごす傾向が高かった。他方、早朝の部屋の選択では、放飼場ではひとりで過ごす傾向が強かったオトナメスがシルバーバックと同じ部屋で過ごす傾向を強く示す期間があった。このように、屋外と屋内の近接関係が必ずしも同じではないことが定量的に示された。他方、1頭の若オスは成長に伴って、部屋の選択でも屋外でもひとりで過ごす傾向が強くなった。
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© 2014 日本霊長類学会
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