抄録
エンリッチメントに有効なタワーの作り方を探るため、札幌市円山動物園のチンパンジー施設においてタワー上での身体運動を伴う三次元行動について調査を行った。年齢差のあるコドモ4個体を含む7名の群を対象に、個体名・行動の発生時刻(秒単位)・継続秒数・タワーの利用法(高さ利用巾・使用した要素)を記録した。生後10ヶ月のアカンボウを除く3歳から7歳のコドモ3個体の三次元行動延べ854回のうち、1/4について他コドモ個体との行動連鎖(行動開始時刻の差が3秒以内)の発生が認められた。1行動におけるタワー高さ利用巾は高度差3m以内の場合が80%であり、オトナ個体との差は無かった。またタワーを利用した遊びとして、タイヤによるブランコ遊び、三次元鬼ごっこ、タワー上部からネットへの落っこち遊びが見られた他、コドモ♀2個体(6~7才)による子守遊び(アカンボウを抱いてタワー上を色々渡り歩く)が観察された。