霊長類研究 Supplement
第33回日本霊長類学会大会
セッションID: B12
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口頭発表
『霊長類研究』の研究(第2版)
*中川 尚史
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抄録

学会機関誌『霊長類研究』のあり方について,初代編集長の杉山幸丸氏による意見論文が2006年(杉山,2006)に引き続き掲載された(杉山,2016)。異分野の理解につながり,情報や意見の交換となる記事群が少なくなっていることを憂い,編集委員の奮起を促す内容である。これに対し,それぞれ編集長名(濱田,2006),編集委員会(準備中)名で回答も掲載されている。しかし,どちらの側も量的なデータに基づいて議論しているわけではなかった。本発表では,『「霊長類研究」の研究』(杉山,1994)の手法にならい,量的データに基づいて『霊長類研究』の変質を追ってみることにした。杉山(1994)の解析の対象となった1993年9巻3号まで(第I期),杉山(2006)発行年の22巻2号まで(第II期),そして杉山(2016)発行年の32巻2号まで(第III期)の3期に分け,記事種別ごとに1号当たりの記事数およびページ数,ならびに合計ページ数を調べた。なお,1993-2002年と2008年には特集号が発行されていたため,通常号と特集号は分けて分析した。まず,異分野理解につながる総説・講座は,通常号のみでも特集号を含めても件数,ページ数ともにIIIが最大であった。次に情報・話題・翻訳は,件数ではほとんど変化が見られなかったが,ページ数では通常号のみでも特集号を含めてもIII,II,Iの順に多かった。また,意見は,通常号のみでも特集号を含めても,記事数ではIIが極端に少なくIとIIIに差はない一方で,ページ数ではIIIが最大であった。発表抄録をSupplementに移し,学会記事を要約版に変えるなどして経費削減に努めたため総ページ数はIIIで最小だが,上記3種に加え原著,短報,調査・技術報告,資料,書評といった記事に限定した合計ページ数はIIIが最大であった。また概ね特集号と合わせた年3号を発行していたII期も,1号当たりでなく年当たりでは,ほとんどの記事種別で最大の値を示し,それぞれの期で奮闘している様子が覗えた。

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© 2017 日本霊長類学会
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