霊長類研究 Supplement
第34回日本霊長類学会大会
セッションID: B05
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口頭発表
合成ロングリードを用いた霊長類の新規ゲノム配列決定
*郷 康広辰本 将司石川 裕恵
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抄録

高品質の新規ゲノム配列決定には,長い配列(ロングリード)を効率よく取得する必要がある。10X Genomics社Chromiumシステムは,一本鎖DNA分子ごとに固有の分子タグの付加,同一分子タグを持つリードごとのアセンブルをおこなうことで合成ロングリード(synthetic long-read)を得る構成になっている。Chromiumシステムを用いてニホンザルの新規全ゲノム配列の決定を行った。解析の結果,アカゲザルの参照配列よりも長いscaffold N50長が得られた(Scaffold N50 = 44 Mb)。アセンブルの正確性も既存の参照配列と同等であった。同様に,ヒガシチンパンジー(Pan troglodytes schweinfurthii)に関しても新規ゲノム配列の決定し,既存のニシチンパンジー(P. t. verus)との亜種間比較も行っている。新規にゲノム配列を決定することで,いままでのマッピングベースによる一塩基多型(SNVs)や短い挿入・欠失変化だけでなく,数キロから数メガ単位の大規模な構造変化の詳細も明らかにすることが可能になった。

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© 2018 日本霊長類学会
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