霊長類研究 Supplement
第34回日本霊長類学会大会
セッションID: B12
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口頭発表
ミャンマー中部で見つかった後期中新世初頭のホミノイド化石の形態解析(予報)
*高井 正成タウン・タイジン・マウン・マウン・テイン楠橋 直
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抄録

ミャンマー中部のテビンガン地域の後期中新世初頭の地層から見つかったホミノイド化石の形態解析に関する予備的な報告する。対象とする標本は,マグウェー市の南方にあるテビンガン地域で現地の村人によって発見された上顎と下顎の化石である。前者は第4小臼歯~第3大臼歯までが残存している右上顎骨~上顎骨の破片で,上顎第3小臼歯の歯根も残存している。切歯と犬歯は歯槽しか残っていないが,犬歯槽のサイズからオスの成体と考えられる。後者は激しく咬耗した第2~3大臼歯の残存する左下顎骨体で,第1大臼歯の破片と第4小臼歯の歯根,そして第3小臼歯と犬歯の歯槽が残っており,そのサイズからオスの成体と考えられる。歯のサイズや歯列弓のカーブの形状から,これらの二つの化石は同一種と考えられる。両者の発見地点は数km離れているが,層準としてはほぼ同じで,イラワジ層の最下部に相当する。共産する動物化石(を産出年代が詳細に研究されているパキスタン北部のシワリク層の動物化石と比較した結果,年代は後期中新世初頭の約900万年前と推測される。上下顎の全体的な形状は,これまでに東南アジアで見つかっているKhoratpithecusLufengpithecusといったホミノイド化石とは明らかに異なっており,南アジアのシワリク層から見つかっているシバピテクスSivapithecus属との類似性を示している。最近の研究では,ミャンマーの化石と同サイズのシバピテクス属の中型種は産出層準から年代的に古いS. indicusとより新しいS. sivalensisに分けられる。テビンガンの標本は後者とほぼ同じ年代と考えられるが,前顎骨の形状や大臼歯の歯帯の発達程度に明確な違いが見られる。本発表ではこれらの形態的な違いについて予備的な解析結果を報告する。

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