霊長類研究 Supplement
第34回日本霊長類学会大会
セッションID: P18
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ポスター発表
日本モンキーセンター・霊長類和名リストの公開
*高野 智新宅 勇太綿貫 宏史朗早川 卓志赤見 理恵
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抄録

現生霊長類の種数は年々増加している。原因はおもに分類の見直しによるが,ときには新種の記載もある。最近ではタパヌリオランウータン(Pongo tapanuliensis)が新種として記載された(Nater et al., 2017)。種数の増加に対し,和名をつける取り組みが重ねられてきた。長年にわたり哺乳類の和名のリファレンスとなってきた『世界哺乳類和名辞典』(今泉,1988)に掲載された霊長類は181種。その後の例では,『サルの百科』(杉山編,1996)には241種,『新しい霊長類学』(京都大学霊長類研究所編著,2009)には伊藤と西村による353種の和名リストがつけられている。しかし2017年のIUCN Red Listにおける霊長類は絶滅種を除き436種とさらに増加しており,これに対応する和名の整備は遅れていた。そこで日本モンキーセンターではワーキンググループをつくり,新たな和名リストの編纂に取り組んだ。2018年3月にホームページ上でリストを公開したので報告する(http://www.j-monkey.jp/publication/specieslist/JMC-PrimateSpeciesList-Mar2018.pdf)。種のリストはIUCN Red List(IUCN,2017)を底本とした。これをHandbook of the Mammals of the World. Vol.3. Primates.(Mittermeier et al. eds., 2013)などと対照して,Cebus capucinusCercopithecus lomamiensisなどの不足する種を補い,447種とした。和名の編纂にあたっては利便性を考え,歴史があり普及している名称を尊重した。そうすると,例えば「サル」と「モンキー」が混在することになるが,あえて統一にはこだわらなかった。和名の存在しなかった種については,種小名や英名を参考に,地名・人名・形態学的特徴などから適切と思われるものを当てた。和名のつけ方に規約があるわけではなく,立場や考え方の相違もあるだろう。しかし,市民への普及の場で和名の乱立による混乱が生じるのは避けたい。そうした場合などに,この和名リストが参考となれば幸いである。

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© 2018 日本霊長類学会
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