主催: 日本霊長類学会
会議名: 日本霊長類学会大会
回次: 35
開催地: 熊本
開催日: 2019/07/12 - 2019/07/14
ザンジバルアカコロブス(Procolobus kirkii)の保護を目的に2004年,ジョザニ・チュワカ湾国立公園(タンザニア連合共和国)は設立した。公園当局は絶滅危惧種であるザンジバルアカコロブス(以下,コロブス)の保護を進めてきた。しかし,地域住民からは“木を枯らすサル”という現地名で呼ばれ,集落に出没しては葉を食べ尽くす害獣として捉えられてきた。“コロブスは実際,木を枯らしているのか”これを検証するため発表者は,2018年7から9月にかけて,公園入口周辺の植生調査とコロブスの群れの追跡調査を行なった。調査の結果,①群れは日中の大半を国立公園外で過ごしていること,②集落に出没し、園芸果樹の葉を多く採食していること,③かつて公園設立以前に好んで食べていた植生の多くが枯死していることなどが分かり,コロブスの採食行動で特定の樹種の枯死の一因となっていることが示唆された。また、集落に向かう際、炭焼き場や民家の軒先で、炭を食べる行動が多く目撃された。本発表では、上記の点に加え、炭食い行動と採食品目の関連性を調べ、分析した。