霊長類研究 Supplement
第35回日本霊長類学会大会
セッションID: P40
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ポスター発表
タイ中央部に生息する野生カニクイザルから分離した腸管寄生アメーバEntamoeba nuttalliのDNA型と地理的分布の相関
*橘 裕司馮 萌柳 哲雄Putaporntip ChaturongPattanawong Urassaya程 訓佳Jongwutiwes Somchai
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抄録

サル類における腸管寄生アメーバの感染実態を明らかにすることは,人獣共通感染症対策の見地からも重要である。我々はこれまでに,様々なマカクから赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)とは異なる病原アメーバE. nuttalliを分離している。今回は,タイ中央部の6県7か所において採取した野生カニクイザルの糞便214検体について,E. nuttalliの探索と分離株のDNA多型解析を行った。まず,糞便から抽出したDNAについて,PCR法による各種Entamoeba属虫体の検出を試みた。E. chattoniE. polecki ST2)陽性が175検体(82%),大腸アメーバ(E. coli)陽性が115検体(54%),E. nuttalli陽性が94検体(44%)であった。一方,赤痢アメーバとE. disparは検出されなかった。また,糞便を培養し,E. nuttalliの24株を分離した。18S rRNA遺伝子には株間で差がなかったが,tRNA関連反復配列の6座位を解析したところ,24株は14のDNA型に分けられた。系統樹解析の結果は地理的分布の違いをよく反映しており,株間の遺伝的距離と地理的距離には有意な相関が認められた。腸管寄生アメーバのDNA多型解析から,宿主の移動や拡散についても推定できると考えられる。

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© 2019 日本霊長類学会
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