霊長類研究 Supplement
第36回日本霊長類学会大会
セッションID: P34
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ポスター発表
霊長類における上位胸椎形態
菊池 泰弘荻原 直道
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抄録

霊長類種には様々な移動運動様式が認められ、運動の軸となる体幹の胸郭はそれぞれのロコモーションに適応した形状を有していると考えられる。胸椎は胸郭の背部構造を構成するため、胸椎は胸郭形状を反映した形態を持っていると推定される。しかしながら、現生霊長類を対象とした上位胸椎の比較研究は今までほとんど行われていない。そこで本研究では、現生種の上位胸椎の形態について調査を行った。チンパンジー(Pan troglodytes)、シアマン(Symphalangus syndactylus)、アヌビスヒヒ(Papio anubis)、パタスモンキー(Erythrocebus patas)、ハヌマンラングール(Semnopithecus entellus)、テングザル(Nasalis larvatus)、ジョフロイクモザル(Ateles geoffroyi)、クロホエザル(Alouatta caraya)におけるオス1頭、メス1頭(テングザルはメスのみ)の骨格標本を用いた。第3-6胸椎をCT(Bruker Sky-scan 1275)撮像後、三次元再構築されたデータ上で相同点79点を決定し、Procrustes 解析によるサイズの正規化および位置合わせ後、座標(シェープ)を主成分分析で解析した。 その結果、ぶらさがり形態を有する類人猿、地上性四足歩行種、樹上性四足歩行種、セミブラキエーションにカテゴライズされるクモザルがそれぞれクラスターを作り、上位胸椎は移動運動様式に適応した形態を有している可能性が示唆された。本研究はモンキーセンター・連携研究、京都大学霊長類研究所の共同利用・共同研究、JSPS科研費 JP20K06835の助成を受けたものです。

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© 2020 日本霊長類学会
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