霊長類研究 Supplement
第76回日本人類学会大会・第38回日本霊長類学会大会連合大会
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シンポジウム
趣旨説明:地球の未来と人類の肉食
本郷 峻
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p. 12-

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抄録

多量で高頻度の肉食は、ヒトを他の霊長類と区別する重要な特徴のひとつである。人類は肉を喰らうことで大きな脳の獲得を可能にし、世界中へと分布を拡大し、集団狩猟と食物分配を伴う複雑な社会性を手にしたとされる。しかし一方で、この私たちをヒトたらしめた肉食が、森林伐採を助長し、地球を温め、霊長類など野生動物を絶滅の淵に立たせ、感染症の蔓延を引き起こし、私たちの健康とプロポーションを台無しにしている、などということが声高に叫ばれている。私たちの肉食が原因とされるこれらの課題を解決に導くうえで、私たち人類学者・霊長類学者が与えられる示唆は、なにかあるだろうか?本シンポジウムでは、まず本発表で人類進化における肉食の位置づけと肉食にまつわる現代的課題をレビューしたのち、味覚遺伝子・安定同位体・古代DNA・民族誌を武器に持つ4名の若手人類学者それぞれの見地から、人類の肉食に関する研究を紹介する。現代的課題への意識を背景としつつ、あくまで基礎科学者らしい地に足の着いた議論を楽しみたい。

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© 2022 日本霊長類学会
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