霊長類研究 Supplement
第39回日本霊長類学会大会
会議情報

ポスター発表
コモンマーモセットにおけるミエリン形成に関わる遺伝子の多型とパーソナリティの関連
八鍬 聖横山 ちひろ林 拓也武田 千穂川崎 章弘WEISS Alexander井上-村山 美穂
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 45

詳細
抄録

ヒトを含む様々な動物において、パーソナリティと遺伝子多型の関連が見出されている。しかし、そのほとんどは神経伝達物質に関わる遺伝子の多型であり、それ以外の遺伝子に着目した研究は少ない。注意欠如・多動症(ADHD)の症状である不注意および多動・衝動性は、複数のパーソナリティモデルの主要次元との関連が報告されている。最近の研究では、ADHD患者は非定型なミエリン形成を呈することや、ミエリンの形成と維持において重要な役割を果たすスフィンゴ脂質代謝遺伝子の多型とADHDのリスクとの関連が示唆されている。そこで、飼育下のコモンマーモセット128個体において、スフィンゴミエリンホスホジエステラーゼ1(SMPD1)遺伝子の多型を探索し、質問紙によって評定したパーソナリティとの関連を解析した。その結果、コモンマーモセットのSMPD1遺伝子の3’非翻訳領域に塩基置換(SNP)を発見した。また、このSNPが、「支配性」および「社会性」の次元と関連することが示唆された。このことから、SMPD1遺伝子のSNPがミエリン形成を通して、パーソナリティの個体差に影響する可能性が考えられた。現在、SMPD1遺伝子の他領域や、他のスフィンゴ脂質代謝遺伝子においても解析を進めている。

著者関連情報
© 2023 日本霊長類学会
前の記事 次の記事
feedback
Top