霊長類研究 Supplement
第39回日本霊長類学会大会
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ポスター発表
ボノボの進化におけるコンゴ川の影響
竹元 博幸
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p. 47

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抄録

地球科学的証拠は、新生代のコンゴ川の形成が34Maにさかのぼることを示唆している。別のアフリカの大河川であるナイル川も、これまで考えられていたよりもずっと古い30Maに出現したことが報告された。コンゴ川の形成年代である34Maは、決して古すぎる年代ではなくなってきたようだ。Pan属の共通祖先はコンゴ川の右岸に分布しており、ボノボの祖先は第四紀のコンゴ盆地の厳しい乾燥期にコンゴ川の右岸から左岸に移動したと考えられる。河川流量の変動によるコンゴ川の左岸と右岸での動物群の移動または交換の仮説は、ボノボ分岐後の絶滅した類人猿種を含む他のPan系統とボノボの交雑、およびボノボの低い遺伝的多様性をうまく説明できる。さらに、コンゴ川が古くから強力な生物地理学的障壁として機能してきたことが、コンゴ川左岸の陸上森林動物相の貧弱さの一因となっている。本研究で提示された仮説は、ボノボの進化とコンゴ盆地の生物地理の議論をいっそう進めるだろう。

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