抄録
相模湾周辺海域沿岸における最長25年間の波浪観測資料と46年間の波浪推算資料を解析することによって, 冬季と夏季における波高.周期の年別変動と長期変動の特性を検討した.主要な結果はつぎのようである. 1) 冬季の波高における有意な増加傾向は1986年から1987年を境とする波高ジャンプに依存する.冬季の周期や夏季の波高・周期における傾向変動は見出されない. 2) 強いエルニーニョ年で波高や周期の時系列がピーク値をとる傾向は夏季で明確に現れる. 冬季にはある程度認められるにすぎない. 3) 長期波浪推算は夏季における波高・周期の年変化を再現するけれども, 波高ジャンプを伴う冬季の年変化については符合する結果を与えない.