抄録
近年, 日本各地の海岸において土砂収支の評価が行われている. 自然な漂砂移動に影響を及ぼすものとして, 防波堤や導流堤などの人工構造物が挙げられる. 一方, 河川が流入する海岸において, 河口は土砂の供給源として位置づけられる. しかし, 大規模な河口テラスが存在する時, それが沿岸漂砂の連続性に及ぼす影響を無視出来ない場合もありうる. 本研究では, 仙台海岸を対象として, 一月あるいは二月に一度という高い頻度で撮影された空中写真を使用し, 10年規模の時間スケールのもとで, 七北田川河口テラスが周辺海浜漂砂系に及ぼす影響に関して実証的検討を行った. その結果, 1998年以後に七北田川河口テラスによる沿岸漂砂移動阻止効果の低減が確認された.