抄録
高カロリー食物の過剰摂取や,運動不足といった生活習慣の変化により,現在,糖尿病患者数が増加し続けている。糖尿病の治療法として,運動療法,薬物療法,食事療法が挙げられるが,運動療法として行うべき日々の運動を怠ってしまう患者は多い。また,患者の半数以上は所定の時間の服薬を忘れてしまうことがある。このような問題を解決することを目的として,携帯端末を用いて糖尿病患者の看護を支援するシステムの開発が行われたが,患者が日々の運動量を記憶する必要があったため,上手く機能しなかった。そこで我々は以前,糖尿病患者を支援するシステムの開発を行った。このシステムは患者の運動量を自動的に記録し,統計的に患者にアドバイスを行う。また,服薬の状況を認識し,患者に正確な服薬を促す。しかし,服薬の面から治療を支援する服薬センサは持ち運びに不便な大きさであった。 本研究では,持ち運びが容易な,服薬忘れを防止するための新しい服薬センサを提案する。