抄録
近年、携帯音楽プレーヤーは音楽をどこにでも持ち運べるという利便性から普及が進んでいる。しかし一方で、過剰な音量での長時間におよぶ音楽聴取が聴力損失を招く危険性があると指摘されている。本研究では、聴取者が日頃どれくらいの音量で音楽を聞いているのか把握するために、最適聴取レベルの測定と音量を徐々に減衰させた時、どの程度の速度で音量を下げると被験者が知覚できるのかについて評価を行った。実験の結果、騒音下での平均最適聴取レベルは80dBを超えていることが分かった。また、単位時間あたりの減衰量(減衰速度)の違いによる反応時間を測定したところ、減衰速度によらず、7dB±3dBの範囲で被験者が知覚することが分かった。