抄録
生体適合性の高い二酸化炭素は,機能性溶媒として,医療,食品,工業など種々の分野でその利用が検討されている。臨界温度を超えた超臨界流体として用いることで,圧力操作のみで,その溶媒特性を大きく変化させられることから,応用範囲は多岐にわたる。薬剤,化粧品微粒子などの高分子マイクロコーティング,再生医療への応用などについて解説します。超臨界二酸化炭素利用を実用化した技術について紹介し,実用化の際に重要となる超臨界二酸化炭素の基礎的な性質についても分かりやすく解説します。さらに,今後の実用化が期待される関連技術について紹介します。