抄録
近年,Arduino やRaspberry PI などのマイコンを利用したモータを駆動するための使いやすい制御ボードが製品化されている。しかし,モーション制御を実験的に学習したいエンジニア(学生含む)にとっては,PWM 制御の仕組みやフィードバック制御の構成がわからなくてもモータを動かすことが可能であるため,新しい制御システムを自ら開発できなくなってしまい,単なるユーザにとどまってしまう恐れがある。つまり,あまりにも便利すぎるため,モーション制御に係わるハードウエア,ソフトウエア,制御技術を体得した技術者が育たなくなるという危険性がある。本研究では,ARM マイコンを利用したSTM32VL(1,2)+DC モータ+エンコーダ+ドライブIC+ブレッドボードという組み合わせで,DC モータの位置・速度制御を安価に実現したので,その概要を報告する。