主催: 産業応用工学会
会議名: 産業応用工学会全国大会2017
回次: 5
開催地: 九州工業大学 戸畑キャンパス
開催日: 2017/09/21 - 2017/09/23
p. 31-32
近年,超音波が空気中を伝搬することによる非線形現象により高い指向性を得るパラメトリックスピーカ(Parametric loudspeaker, PLS)の応用が進んでいるが,その応用研究として,PLSの搬送波・側帯波の分離放射による再生領域制御がある。従来のPLSを用いた場合,聴取者の前後にいる人にも音が聞こえたり,超音波の反射により別の人に音が聞こえたりする問題がある。また,分離放射では,PLSから発される音波が搬送波と側帯波の合成により成り立っているという原理を利用し,それら2つの音波を2つの超音波発振子アレイから別々に発して1点で交差させる。これにより,従来のPLSよりも限定的な場所に再生領域を形成することができるため,再生領域内にいる聴取者のみが音声等を聞くことが可能となることが知られている。一方,この分離放射による再生領域設計システムでは,形成した再生領域を移動させることはなく,再生領域のある場所まで聴取者が近づかなければ音声を聞くことができなかった。この問題に対して,曲面型パラメトリックスピーカを分離放射に用いて,再生領域の拡大や縮小を行う研究などが行われている。本研究では,搬送波・側帯波の分離放射の応用範囲を広げるべく,サーボモータを用いた可動式PLSによる搬送波・側帯波発生装置を作製し,再生領域を動的制御するシステムを提案する。
この記事は最新の被引用情報を取得できません。