抄録
高専(高等専門学校)では、これまでに機械・電気・情報等の専門技術者を育成してきた。一方、超高齢化等に伴う福祉医療の充実は、我が国だけでなく世界的規模の課題である。この問題に対し、文科省では合理的配慮を基本とするインクルーシブ社会の早期実現に向けた政策を進めている。こうした中、福祉機器産業界や教育組織におけるAT(アシスティブ・テクノロジー)機器開発を担うAT技術者の育成が急務である。全国の高専で組織されたKOSEN-AT(全国Kosen支援機器開発ネットワーク)では、障害者や教育・福祉・医療の現場関係者の意見を研究活動にフィードバックするニーズ志向型・社会実装モデルの技術者教育と研究開発を進めており、現場のニーズを有する当事者と高専学生との共同研究開発により、商品化した事例や市販化の必要性について紹介する。