産業応用工学会全国大会講演論文集
Online ISSN : 2424-211X
2026
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靴裏摩耗検出による転倒予防システム
*馬場 慧, *川野 菜の春, *武内 鼓拍, *北園 優希
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会議録・要旨集 オープンアクセス

p. 25-26

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抄録
本研究は,転倒事故の主要な要因の一つでありながら見落とされがちな「靴裏の摩耗」に着目し,靴裏のすり減り度合いを自動で検知・通知する転倒予防システムの開発を目的とする。高齢者等にとって靴裏の摩耗を自己判断することは困難であるため,日常生活の中で意識せずに摩耗状態を把握できる仕組みが求められている。提案システムは,透明な台の下部にカメラを設置し,利用者が台の上を通過する際に靴裏を撮影する。撮影された画像に対し,YOLOv8を用いた物体検出モデルによって靴裏領域を抽出する。その後,エッジ検出および膨張処理を用いて靴裏の溝を強調し,靴裏全体の領域に対する溝の面積比を計算することで,摩耗度合いを自動判定する。システムの精度評価として,同一の靴を用いた4段階の摩耗状態(新品から摩耗末期まで)の画像を用いて実験を行った。その結果,最も転倒リスクが高く直ちに交換が必要な「摩耗末期(状態3)」において,97.0%の精度で危険状態(DANGER)を検出することに成功した。これにより,本システムが転倒事故を未然に防ぐアラートシステムとして実用的な精度を有していることが示された。ただし,本評価実験は単一の靴を用いて行われているため,結果の汎用性については留意が必要である。実用化に向けては,靴裏の汚れや外光などの環境要因への対応,多様な靴のパターンにおける検証の追加,および直感的に危険度を伝えるユーザーインターフェース(音声警告やアプリ連携など)の構築が今後の課題として挙げられる。
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