建設マネジメント研究論文集
Online ISSN : 1884-8311
ISSN-L : 1884-8311
道路斜面防災統合マネジメントシステムに関する研究
関口 信康大津 宏康安田 亨伊豆 隆太郎高橋 健二
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2008 年 15 巻 p. 141-150

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抄録

現在の厳しい経済社会情勢の中, 国を初め都道府県や政令指定都市レベルでは, 社会資本の効率的・効果的な維持管理を目指すアセットマネジメントが検討・導入されている. しかしながら, 規模の小さい県や市町村レベルでは, 中長期的な観点からの計画であるアセットマネジメントは, 早期に導入効果が見えないことからその必要性に対する認識が低く, 導入が進んでいないのが現状である. 一方, 近年の我が国では台風, 集中豪雨, 地震による自然災害が多発し, 尊い人命を奪うなど自然の猛威にさらされた. 限られた予算の中で, 明日にでも起こりうる自然災害に対し, 被害を最小限に止めることの重要性が再認識されている. こうした状況の中, 社会資本においてマネジメントを浸透させるためには, 現在最も関心の高い防災・減災に着目し, 危機管理 (リスクマネジメント) と維持管理 (アセットマネジメント) の両面から社会資本におけるマネジメントのあり方について検討する必要がある. このような観点から, 本研究では道路斜面防災を対象に, アセットマネジメントにリスクマネジメントを融合した「道路斜面防災統合マネジメントシステム」の基本システムとしてGISをプラットホームに構築した「斜面リスク評価システム」について提案し, 実際の道路ネットワーク上の斜面に適用した場合の事例を示す. さらに, 「道路斜面防災統合マネジメントシステム」について, その構築に向けた方向性を示す.

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© 社団法人 土木学会
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